お義母さんの帰りの飛行機は夕方、我々は夜8時過ぎにソウルを経つ。
お義母さんの荷物が二倍以上に増えてしまったため、荷物を引きずりながら街をうろうろ出来ないと判断し、ホテルをチェックアウトしてそのまま仁川へ向かう。
数年前に出来たばかりの空港近くにあるカジノへ行ってみた。
規模の小ささに思わず拍子抜け。
トランジットで時間を持て余した人の暇つぶしの空間といった感じだ。
以前、ソウルのシェラトンホテルに宿泊し、ウォーカーヒルカジノに入り浸っていたことがあり、そのイメージがあったため拍子抜けしてしまったのだ。
規模が小さいだけでなく、小ざっぱりしているというか閑散としているというか…ゴージャスな感じが全くない。これでは気分が盛り上がらない。
パチンコ屋が無音でギラギラしなくなったらどうなるかって話だ。
三人とも今一気分が乗らず、一時間ほどスロットをして、子供騙し程度勝ったところでカジノを後にし、空港のフードコートで飛行機までの時間を過ごした。
お義母さんを見送る時間となった。
出国カウンターに並ぶお義母さんは目に涙を浮かべながら「最高の親孝行だった!本当にありがとう!」と言ってくれた。
お義母さんの飛行機は無事飛んだ。
我々はさらに2時間待たなければならない。
「平壌主席宮‘緊急事態’」
アツイ雑誌が売られていたので買ってみたり、空港にいる人々を観察しながら2時間過ごした。
やがて我々の飛行機も飛び立ち、関空からの最終電車にギリギリ乗り込むことが出来た。
そして最初の記事にも載せたように、新今宮駅を下車して自宅まで歩いて帰る道のりで、この旅の〆となる写真を撮り、無事帰宅したのだった。