2014年11月20日木曜日

あとがき。のようなもの

旅行前の話。
知人の医者夫婦と会う機会があり、「来月お義母さんと三人で韓国旅行に行くんだよ」という話をした。
するとふたりの顔が若干引きつり「…何しに行くの?」と。
わたしは一瞬「えっ?」となった。
韓国旅行と言えば、買い物に食べ物に…他にも色々あるではないか!

すると知人は「韓国で食べ物屋行くと日本人客の食べ物にツバ入れるんでしょ…?」

絶句。もう絶句。
お医者さんが根も葉もないネトウヨレベルのことを真剣な顔して言っているのだ。

わたしは返す言葉がなかった。
何から話せばいいのか分からなくなり過ぎて、何も話せなかった。
お医者さんが特別偉いとは思わないが、わたしの中では公平な目を持たなければならない職業で、そういう根も葉もないくだらないことには流されない人たちだと思っていたので驚いた。
しかもふざけてではなく、真剣だったから余計に。


わたしは前にも書いように、障害者であり普段車椅子を使用して生活しているため、人の善意や悪意、偽善の瞬間に触れる機会が多い。

障害者になってから訪韓は4度目だ。
車椅子でタクシーに乗る場合、果たして日本は親切か?韓国は障害者に冷たいと言うが本当なんだろうか?しかもわたしは韓国人にとっては「嫌いな国の障害者」だ。


日韓関係はずっと良いとは言えない。しかし反日を感じたことは今のところ一度もない。拍子抜けするほとだ。日本で流れている噂は一人歩きしているものが多いと言えよう。

知人のお医者さんは、自分の凝り固まった考えに縛られているうちは、死ぬほど美味しい現地のチヂミや現地ならではの焼肉を味わうことが出来ないのだ。

情報、先入観、或いは属性だけで物事を判断し決めつけることは、結局自分が損をしているのだ。


前回の旅での出来事だが、面白いシーンに遭遇したので書いておこう。
このシーン、写真ではなく動画で撮っておくべきだと思ったカルチャーショックなものだった。


「ハナ トゥル セーッ!」と大の大人が数人がかりで大声をあげて車を持ち上げている。
はじめは車が脱輪してしまったのかと思ったのだが…

ある程度車を動かしたと思ったら、何事もなかったかのように走ってバスに戻って行ったのだ。(写真右のシルバーのヒュンダイの後ろにバスが止まっていた)

そう、この白い車のせいでバスが通れなかったので(かなり斜めに駐車をしていた)、通れるようにバスの客同士が協力し合って邪魔な車を動かしていたのだった。


この発想、斬新過ぎる…


日本人だったらどうだろう?
駐車違反の車のせいでバスが動かなかったら、客は運転手に「どうにかしろ」と文句を言い、運転手がこの建物の中の人に文句を言い、110番して…といった感じだろう。

韓国人はそんなまどろっこしいことはしない。
目の前に邪魔なものがあれば自分たちでどけてしまうのだ。

人の車を勝手に動かして万が一ぶつけてしまったら…とかそういう細かいことはいちいち
気にしない人種なんだろう。っていうか日本人が気にし過ぎなのだ。

ちなみにタイでも似たような考えのようだ。
タイでは基本的に車を駐車するときはサイドブレーキをかけない。
自分の駐車した車が八方ふさがりになってもなんてことはない。サイドブレーキがかかっていなければ女性一人の力でも車なんて簡単に動かせるのだ。
そんなわけでタイの駐車場では、白線で囲まれたところ以外にも車がたくさんと止まっている。


駐車違反1つでお国柄って出るもんだな…





「非常識」とは一体なんだろう?と考えさせられる1シーンであった。
結局自分の物差し(常識)以外のことを「非常識」と呼ぶのだろうが、自分の物差しこそ「非常識」ではないだろうか?

今の時代、インターネットを使えば欲しい情報が簡単に手に入る。
わたしは最近、そのことが不便なことのように思える。
皆、その情報にがんじがらめに縛られ、動けなくなっているように思えてならない。

貴方の「好き」や「嫌い」は本当に貴方の経験からそのように感じたのか?それとも聞いたり読んだりした話から?



「書を捨てよ町へ出よう」

とりあえずパソコンを閉じ韓国に行ってみよう。


0 件のコメント: